米ラグジュアリーリセール企業が人気ブランドランキングを発表

ラグジュアリーブランドの中古品を扱う会員制ECサイトを運営するザ・リアルリアル(THE REALREAL)は人気ラグジュアリーブランドと再販市場におけるトレンド傾向に関するリポートを公開した。同リポートは過去1年間に同サイト内で販売された数百万点のアイテムと購買客から収集したデータに基づいている。

同社は2011年の創業以来目覚ましいスピードで成長しているラグジュアリー2次流通の代表的な存在で、現在はeコマースに加えてニューヨーク・ソーホーなどに3つの実店舗をオープンし、全米11カ所に宝石鑑定士や時計職人など専門家が常駐する委託品受付オフィスを構える。今年6月には株式の新規上場(IPO)を実施し、開始数分で株価がほぼ50%増の29.9ドル(約3169円)まで上昇、時価総額は約25億ドル(約2650億円)となった。

リポートによれば人気トップ10の1位は「グッチ(GUCCI)」、2位は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」、3位は「シャネル(CHANEL)」。「グッチ」は2位、3位との差を広げ続けているという。ダッドスニーカー“トリプルS(Triple S)”の人気が寄与した「バレンシアガ(BALENCIAGA)」もランクインし、成長率が102%増でトップ10のブランドの中で最も高い成長率を記録。スニーカーがブランドに与える影響は大きく、「ディオール(DIOR)」は同99%増、「フェンディ(FENDI)」は同89%増だった。これら3ブランドの需要が最も大きい層はミレニアル世代だ。

ラティ・レヴェスク(Rati Levesque)=ザ・リアルリアル最高執行責任者は「上位の2ブランドは新鮮な視点のコレクションを提供することで、人口構成が変化するラグジュアリー・ショッパーにうまく順応した。『グッチ』の大胆なマキシマリズムから『ルイ・ヴィトン』のストリートウエアに影響を受けたデザインまで、ミレニアル世代の支持を得る独自性がある」と述べた。

同社のサーシャ・スコーダ(Sasha Skoda)=ウィメンズ・マーチャンダイズ・ディレクターは「ルイ・ヴィトン」が躍進した理由を「より楽しみがあり、独自のプリントをうまく活用している」と語り、ほぼ全てのカテゴリーでトップを占拠する「グッチ」については、「1次流通市場での成長が鈍化しているという情報があるが、再販市場ではまだその傾向は見られていない」と言及した。

18年にフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)が退任し、エディ・スリマン(Hedi Slimane)が新たにアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターに就任した「セリーヌ(CELINE)」はトップ10から外れており、同氏はエディのファーストコレクションに対する痛烈な反応について言及し「新生『セリーヌ』で何が起こるか人々は見守っている」と語った。また「消費者は次なるビッグブランドを探している。それは『ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)』かもしれないし、最も検索された新興ブランドの一つかもしれない」とも述べた。新興ブランドには「スタウド(STAUD)」や「カイト(KHAITE)」「トーテム(TOTEM)」「レジーナ ピョウ(REJINA PYO)」そして「サンディー リアング(SANDY LIANG)」も挙がっている。

時間が経っても再販価値が落ちないインベストメント・バッグについては、購入価格に対して平均93%で再販される「エルメス(HERMES)」の“ケリー(Kelly)”といったクラシックな定番がけん引。一方で“IT”バッグは平均再販価値が80%から始まり5年目には60%を下回るため、売り手は投資収益率を最大化するために迅速に動く必要があるという。「ラグジュアリーハンドバッグは真に投資対象になるが、スタイルに持続力があるかどうかがリセール市場での価値に劇的な影響を与え得る」とスコーダ=ディレクターは話し、購買客は最終的に再販することを考えて商品を選ぶことに精通しているとも付け加えた。価値が上昇して再販が増えている新たなバッグには「ジャックムス(JACQUEMUS)」の“ル・チキート(Le Chiquito)”や「クロエ(CHLOE)」の“クロエ C(Chloe C)”、「フェンディ」の“モン トレゾール(Mon Tresor)”、「プラダ(PRADA)」の“シドニー(Sidonie)”、「ルイ・ヴィトン」の“ドーフィーヌ(Dauphine)”があるという。

カテゴリーごとのマクロトレンドも明らかになっており、検索数が前年の4.8倍だったストーン付きヘアクリップや4.6倍だったタイダイ柄アパレル、4.5倍だったネオンカラー、2.6倍だったブレザーのほか、カーディガンやシアー素材のアイテム、PVCなどが挙がった。

フランチェスコ・ラガッツィがデザインするイタリア発のラグジュアリー・ストリート・ブランド「パーム・エンジェルス」2019-20年秋冬コレクション MASATO ONODA / WWD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
ストリートウエアは1次市場で供給に制限を設けたことが再販の急増をもたらし、検索需要の伸びが3.8倍だった。スニーカーとストリートウエアの専門家ショーン・コンウェイ(Sean Conway)氏は「過去1年間で(需要の)大きな上昇が見られた」と語り、ユニセックスの概念と目立つ商品デザインが成長に寄与しているとも述べた。ミレニアル世代やジェネレーションX、女性層からの需要も伸長しており、女性のメンズのストリートウエアの購買率は前年比95%増だった。

同カテゴリーのブランドで成長率が高かったのは前年の27倍だった「パーム エンジェルス(PALM ANGELS)」で、次いで26倍だった「ナイキ×オフ-ホワイト(NIKE X OFF-WHITE)」、10倍の「ベイプ(BAPE)」「オフ-ホワイト(OFF-WHITE)」、6倍の「フィアー オブ ゴッド(FEAR OF GOD)」だった。スニーカーブランドのトップは7倍の「イージー(YEEZY)」で、そこに「プラダ」「バレンシアガ」「ナイキ(NIKE)」「ゴールデン グース(GOLDEN GOOSE)」が続いた。

ストリートウエアのバイヤーのほとんどがラグジュアリー・ブランドでは「グッチ」、次に「プラダ」そして「ルイ・ヴィトン」を買い付ける。ドミニク・ハラス(Dominik Halas)=ザ・リアルリアル メンズウエア・アーカイブ・エキスパートは「ヴィトンはヴァージル・アブローのメンズウエア・アーティスティック・ディレクター就任と素早いドロップで2番手に近づくだろう。イージーが依然として最高位なのは非常に認知度が高く、履くために購入する人々にとってエントリーレベルのスニーカーであるからだ」と語った。

同社はまた環境そしてサステイナビリティーへのファッションの影響も重視されていると述べ、顧客の82%が同社で買い物をする大きな理由にサステイナビリティーを挙げたと指摘した。消費者の93%がサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)やノードストロム(NORDSTROM)、ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)、ブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE’S)といった百貨店で買い物をする一方で、32%はファストファッションからザ・リアルリアルへ移ったと回答したという。

大根田杏(Anzu Oneda):1992年東京生まれ。横浜国立大学在学中にスウェーデンへ1年交換留学、その後「WWD ジャパン」でインターンを経験し、ファッション系PR会社に入社。編集&PRコミュニケーションとして日本企業の海外PR戦略立案や編集・制作、海外ブランドの日本進出サポート、メディア事業の立ち上げ・取材・執筆などを担当。現在はフリーランスでファッション・ビューティ・ライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を行う

“パロディー”が認められる時代に!? 「グッチ」が解く新しいクリエイション

「グッチ(GUCCI)」は2019-20年秋冬コレクションで、NYブルックリンを拠点に活動するカナダ人アーティスト、トラブル・アンドリューこと、トレバー・アンドリューとコラボレーションし、彼のグラフィティ作品を使ったアイテムをランウエイで披露した。アレッサンドロ・ミケーレ「グッチ」クリエイティブ・ディレクターは、世界中の有名無名アーティストを起用したプロジェクト「‪#‎GucciGram‬」を始め、ブランドの世界観を踏襲しながらも新しいビジュアルを開拓してきた。冬季五輪に出場経験のある元スノーボーダーという異色のバッググラウンドを持つアンドリューは、「グッチ」の「GG」のモノグラムを使い、いわゆるパロディーのグラフィティを3年ほど描いてきた。ミケーレのクリエイションにおいて、アートは重要な要素の一つ。今シーズンはこれに加え、アンドリューによるストリート感をプラスし、トレンドの一つである“ユース”なマインドを強調した。

ミケーレとアンドリューの出会いは、「グッチ」の2016年プレ・フォール・コレクションを撮影したアリ・マルコポロスが、アンドリューの作品について教えたことに始まった。ミケーレはすぐに作品を気に入り、ジャマイカにいたアンドリューは「グッチ」からの連絡を受け、急いでローマに向かったという。アンドリューにどうして「グッチ」なのかと聞くと、「まず一つは、今最も勢いのあるメガブランドであること。『グッチ』のGは“GOD(神)”っていう意味でもあるよね。僕らの周りでも、『調子どう?』って挨拶する『What’s good?』を『What’s Gucci?』って使っているほど。ブランドの偉大さはみんな知っているし、パロディーも面白く思ってくれているよ。“グッチゴースト”と呼ぶキャラクターは、GGのロゴを使ったお化けは、ハロウィーンでシーツを被った仮装をしたときに生まれたんだ」と語る。ミケーレはアンドリューによる大胆なパロディー作品について、「ブランドのシグニチャーを使ったトレバーの作品を見て、すごく才能があると思った。“コピー”とは全く違うアイデア。GGを使ったグラフィティは、ストリートの世界に引き込んでくれるし、NYのエッセンスがあるから、キース・へリングの作品をもほうふつさせる。きっとトレバーはヘリングの息子の一人なんだよ」と振り返る。

ミケーレのクリエイションには、常にストリートの要素が欠かせない。今シーズンは特に、アンドリューの作品の“ロゴ”をアクセントに盛り立てた。「僕は予測できないようなファッションストリートのスタイルを作りたいと思っている。まさに、職人技を駆使したイタリアンブランドによるストリートのためのオートクチュール。ストリートでシックになることをためらわなくていいジーンズに合う着心地のいい服が大事だ。トレバーは作品の色使いや僕たちが作るブランドのパワーをとてもリアルに変換してくれている。僕自身、リアルとアンリアル(非現実的)の対照的なアイデアはとても好きだから、トレバーの“アンリアル”な作品をリアルにしたいと思った」。アンドリューも「スケートボードやロゴのアイデアもとても重要だ。身に付けるだけで、自信がついて主張的になれるよね。だからロゴの力ってすごい。僕もリスクをとるし、アレッサンドロもそうだ。製作期間は長くはなかったけれど、彼はフリースピリッツの持ち主だから、僕に自由にモノ作りをさせてくれたし、音楽をかけながらとてもいいムードで進めることができたよ。ゼロストレスで常にとても楽しかった」と成果を話した。

グッチの新作レザーバッグ「グッチ ズゥミ」インターロッキングG×ホースビット

グッチ(GUCCI)は、2019年春夏ウィメンズコレクションの新作バッグ「グッチ ズゥミ(Gucci Zumi)」を2019年3月15日(金)に発売する。

「グッチ ズゥミ」は、2019年春夏コレクションのランウェイにもモデルとして登場した女優・ミュージシャンのズゥミ・ロソウの名前が由来の新作バッグ。

グッチのアイコニックなモチーフである、インターロッキングGとホースビットの金具をあしらった、スタイリッシュかつ実用的なデザインが特徴だ。シルバー×ゴールドのメタルを組み合わせるアイディアは、アレッサンドロ・ミケーレがグッチのアーカイブから発見して復刻したもの。

「グッチ ズゥミ」は、トップハンドルバッグ、ショルダーバッグ、スモール トートバッグの3型を展開。トップハンドルバッグには、上部に独特なダブルリフト ロック クロージャーがあしらわれている。長さの調節できるレザー ショルダーストラップや、ジッパー付きコンパートメント、ポケットなど、実用的なディテールにも注目したい。ストロベリープリントのモデルは、ポップな表情と上品さが相まってユニークな優雅さを見せる。

チェーンを取りはずしてクラッチバッグとしても使える2WAYのショルダーバッグは、スモールとミニの2サイズを用意する。長さを調節できるレザーのトップハンドルとリアポケット付きで、多様なスタイルに組み合わせられる1品。ミニショルダーバッグには、トップハンドルバッグと同じくストロベリープリントも揃える。

スモール トートバッグは、1960年代のグッチのバッグからインスピレーションを得たデザイン。素材は、アリゲーター、リザードの2種類で展開する。リュクスな雰囲気だけでなく、バッグ内部の構造がすっきりとしており、物の出し入れが容易にできる実用性も魅力的なポイントだ。

・ストロベリープリント トップハンドル(33.5x26x11.5cm) 388,000円
・ストロベリープリント ミニショルダーバッグ(18.5x11x3.5cm) 245,000円
・リザード ミニショルダーバッグ(18.5x11x3.5cm) 402,000円
・リザード トートバッグ(25x19x8cm) 650,000円

「シャネル」の人気“卵型ハンドクリーム”が真っ黒に エイジングケア効果をプラス

シャネル(CHANEL)」は8月16日、2017年に発売以来人気の“卵型ハンドクリーム”「ラ クレーム マン」にエイジングケア効果をプラスした「ル リフト ラ クレーム マン」(50mL、7700円)を発売する。丸い形はそのまま、黒いパッケージに身を包んで誕生する。また、エイジングケアライン「ル リフト」には新美容液「ル リフト セラム」(30mL、1万6500円)も同日発売する。

植物由来やナチュラルな成分にこだわりながら高い安全性と効果を追求した「ル リフト」。「ル リフト ラ クレーム マン」は、度重なる手洗いや紫外線などによるストレスなどで日々ダメージを受ける手にハリと潤いを与える。1000人以上の女性の手の画像を研究して導びかれた処方は、「ル リフト」ラインに共通するエイジングケア成分3.5−DAに加え、アルファルファ濃縮エキスを配合し、きめ細かでふっくらとした印象を取り戻す。さらに保湿成分のシアバターやヒアルロン酸などのほか、ブライトニング効果を発揮するリコリスエキスも含み、明るく整ったトーンに導く。

また、「ル リフト セラム」はフォーミュラの93%に天然由来成分を実現。仏ドローム地方で栽培され、さまざまな環境に対する順応性と高いストレス耐性を持つブラックペパーミントを配合した。抗酸化作用などが期待されるロスマリン酸を豊富に含有するブラックペパーミントPFAを独自の方法により抽出。さらにそこに脂肪鎖を結合させ、活性酸素の発生を抑制するブラックペパーミントリロスを形成したほか、グリセロール鎖を結びつけることにより、肌表面に働きかけて紫外線や大気汚染などの環境ストレスから肌を守るブラックペパーミントハイドロロスを形成した。さらにアルファルファ濃縮エキスを配合し、これらの成分を組み合わせることによって肌の酸化の原因に多角的にアプローチする。

「マイケル・コース コレクション(MICHAEL KORS COLLECTION)」を語る上で欠かせない2つのキーワードは、“ユーティリティ(UTILITY、日本語で「機能的」の意味)”と“ダイバーシティ(DIVERSITY、日本語で「多様性」の意味)”だ。デザイナーのマイケル・コースは常に、「デジタル社会の今、毎日を忙しく過ごす女性にとって美しくも機能的な洋服とは何か?」を考え、次に「それは、人種や年齢、体型を問わず、あらゆる女性にとって美しいものか?」を見極める。そして、この2つの基準を同時にクリアした時、洋服やアクセサリー、スタイルは初めて「マイケル・コース コレクション」の名前を冠して世に放たれる。

そんなマイケル・コースは今シーズン、まずは“ユーティリティ”を考え、ついにラクチンなスタイルの極みとも言える南の島に上陸。コレクションは、鮮やかなリゾートスタイルで幕を開けた。洋服を彩るのは、南国らしいピンクやブルー、それにラベンダー。カシミヤのスエットやスエードのコート、コットンジャケット、シフォンのドレスには手作業によるブリーチでパームツリーの柄を描き、足元にはクロコダイルのビーチサンダルを合わせる。とはいえ、南国のスタイルは、さすがに都会のワーキングウーマンには真似できない。そこで南国のスタイルは中盤以降、グレーやベージュ、ネイビーに変化。相変わらず足元はサンダルだが、色が変わるだけでスタイルは一気にシティライクに変わるから面白い。

トロピカルは、“ダイバーシティ”に富んだスタイルでもあるようだ。思えば南国でのバカンス、もしくはそんな気分になれるアーバンウエアは、人種や年齢、体型を問わず、誰もが憧れるもの。汗をかく肌にまとわりつかないリラックスシルエットは、ちょっぴり太めの女性でも楽しめるスタイルだ。

頭から被るだけ、腰に巻くだけ、ガバっと羽織るだけでいつでも、どこでも、誰でも楽しく、カッコよくなれる今シーズンの「マイケル・コース コレクション」は、引き続き彼らしい“ユーティリティ”と“ダイバーシティ”に溢れている。

レスリー・キーが豪華300人が登場するショートムービーを公開 ユーミンの名曲を採用

レスリー・キーが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック応援メッセージ企画の一環として、自身が監督した2本のショートムービーを公開した。ユーミンこと松任谷由実の名曲「やさしさに包まれたなら」が流れる中で、バージョン1では日本を代表するダンサーとして海外でも活躍するアヤバンビ(AYABAMBI)からスタートし、黒木メイサや斎藤工、壇蜜や、空手の胴着を着た岩城滉一、和服姿の藤原紀香、上半身裸のサッカーの槙野智章選手、再婚で話題の藤あや子や五木ひろし、ジャルジャルなど、スポーツ選手や人気のモデル、俳優、お笑い、演歌歌手、歌舞伎役者まで幅広く起用。森永邦彦「アンリアレイジ」デザイナーや国立競技場をデザインした隈研吾も登場する。バージョン2ではローラからスタートし、荻野いづみ「アンテプリマ」クリエイティブ・ディレクターや丸山敬太「ケイタマルヤマ」デザイナー、松本伊代、林真理子、八代亜紀、吉木りさなどが顔をそろえ、ユーミンがトリを飾っている。

これは、NHKが企画・制作する 「2020レスリー・キーがつなぐポートレートメッセージ」の一環で、東京2020を応援するために、各界で活躍する人に夢や目標をボードに書いてもらい、レスリーが写真と映像を撮影するというプロジェクトの一環だ。すでに著名人350人と一般人650人を撮影し、NHKのホームページで写真を公開中。今回のムービーには著名人300人が登場する。

レスリーは、このプロジェクトについて「NHKの局長から昨秋に依頼があり、運命的な企画だなと思って協力することを決めた。私は東日本大震災の後、日本の人々を少しでも元気にしたいと思って『スーパースター』のテーマで300人のアーティストを撮影した。今回はみんなが2020年の東京オリンピック・パラリンピックを祝い、喜び、盛り上げる企画だけれど、人々とともに作り上げ、共感し、感動する部分は一緒だなと思ったし、僕はこういう企画に向いているなと思う。ずっと自分がやりたいこと、信じていることをやり続けてきてよかったなと思った。日本に来て23年目、ちょうど人生の半分を日本で過ごしてきたことになる。日本中が夢を見る大事なイベントであり、スポーツ選手だけでなく、ファッションもアートも経済にとっても大きなチャンスに立ち合い、この企画が担当できて幸せ。あらためて日本に来てよかったと実感している」と思い入れを語る。

300人の撮影は、わずか3日間で行われたもの。「1人当たりはすごく短い時間だったけれども、いい時間を一緒に過ごして、楽しみながら、素敵なメッセージを一緒に仕込んでいけたらという気持ちで撮影に臨んだ。今回のテーマは『夢』『奇跡』『メッセージ』の3つだ。選手たちは大きな夢を持ち、人々の期待を背負い、プライドを持って世界と戦うのだから、夢と希望はとても大切。だから、色紙という、とても日本らしくて美しいものに、自分の夢や目標を書いてもらった。オリンピックだから五輪カラーの5色から選んでもらい、5秒でどう自分を表現するのかに挑戦してもらった。そして、一人ひとりの個性が出るように、全身なのか顔のアップなのか、笑顔なのか真顔なのか、キックなのかダンスなのか静止しているのかなど動きや構図を一緒に考えていった」と舞台裏を明かす。

豪華出演者のキャスティングについては、「老若男女、各ジャンルで日本を代表するような人々を幅広くラインアップしたいと思い、鈴木福くんから、湯川玲子さんまで登場してもらった。8割は自分が付き合いがあるアーティストで、遊びに来る気持ちで参加してもらった。僕の仕事では、女優さんや俳優さん、アーティストやモデルなどは多いけれども、建築家や同じフォトグラファー、脚本家などの方々とはあまり接点がなかった。だから今回はこれを機に、繰上和美さんや隈研吾さん、小山訓堂さんなど、僕が憧れている先輩や後輩で、各分野で活躍し、時代を超えてその存在や作品が生き残る、タイムレスな人々にもお願いして撮影させていただいた。

起用した曲は、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」だ。10代の頃からユーミンに憧れ、近年ではジャケットや写真集などを撮影して交流があるレスリーだが、今回、この曲に改めて出会ったのは偶然だという。「われわれアートの仕事でも、表現者との仕事はタイミングや出会い、経験も大事だが、ラック(幸運)や奇跡も大切だ。今回のテーマとして『夢』『奇跡』『メッセージ』を掲げたので、その3ワードをネット検索してみたら、この曲一番最初に出てきた。ホント、運命的だし、この企画にピッタリの曲だと思った。ユーミンは13歳からずっと聞いている、自分の心の中に息づいている大好きなアーティストで、『やさしさに包まれたなら』は本当に大切な曲。もうこれしかないと、ユーミンと松任谷正隆さんに直接話をして提供をお願いした。

フォトグラファーとしてのイメージが強いレスリーだが、一昨年から映像にも挑戦し始めている。「15年5月に河瀨直美監督にカンヌ映画祭に連れて行ってもらったこと。たくさんの映像監督たちに会ったが、映像と写真は表現方法も表現できることも異なりながらも、世の中にメッセージを伝えられると感じて、映像も始めた。最近は、『H&M』のゴールデンウィーク企画で柴咲コウや、若いインフルエンサーたちの映像も撮った。映像作家としてはまだ2年目だが、自分のステップアップにもつなげていきたいと思う。YouTubeにも上げたので、気軽に映像を見て、元気をもらい、夢や希望を抱いてもらえたら」。

「ルイ・ヴィトン」がブロックチェーン技術を導入 消費者は商品の製造工程や真贋の確認が可能に

LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)は、原材料が調達された国や製造工程などの記録を消費者が追跡でき、製品が本物かどうかも確認できるプラットフォームを導入する。

同社は、マイクロソフト(MICROSOFT)と米ブロックチェーン開発企業のコンセンシス(CONSENSYS)と提携し、イーサリアム(ETHEREUM)のブロックチェーン技術とマイクロソフトのクラウドコンピューティングを活用した「オーラ(AURA)」というプラットフォームを発表した。ラグジュアリーブランドでは初となる試みで、まず傘下ブランドの「ルイ・ヴィトン」とパルファン・クリスチャン・ディオール(PARFUMS CHRISTIAN DIOR)で導入し、順次拡大していく。将来的には、他社のラグジュアリーブランドにも普及させていきたい考えだ。

「オーラ」を利用すると、原材料の調達から店頭に並ぶまでの各ステップで、さまざまな情報が複製不可能な状態でブロックチェーン上に記録される。それらの情報を含むQRコードを製品に付けることで、消費者はブランドのアプリを使ってそれを確認できるという仕組みだ。LVMHは、「ブロックチェーン上において情報は分散的に保存され、変更不可能だ。消費者は、透明性の高い情報に基づいてより倫理的な製品を選ぶことが可能になる」と説明する。

また「オーラ」では製品が最初にどこで購入され、いつリセールに出されたのかなどの情報も提供されるため、グレーマーケットにも光を当てることになるだろう。近年、ラグジュアリー製品のECや二次流通市場の隆盛とともに、模造品や盗品の流通、詐欺などの問題が増加している。そうした中、「オーラ」を利用することで、いわば製品の“身元”をデジタル上で証明できるようになる。こうした技術を利用し、LVMHは近い将来、「ルイ・ヴィトン」の全製品を正規品として認定するという。

フランスの暗号化テクノロジー企業アリアニー(ARIANEE)のフレデリック・モンタニョン(Frederic Montagnon)会長は、「デジタル化を推進する企業や個人にとって、プライバシーやサイバーセキュリティーの確保は非常に重要な問題だ。ユーザー側が情報を管理できるようにすると同時に、情報漏えいを防げるよう、情報システムの設計を考え直すべき時がきた」とコメントした。

なお、「ルイ・ヴィトン」はデジタルテクノロジーを別の方向でも活用しており、柔軟性のあるデジタルスクリーンをはめ込んだバッグを5月8日に開催した2020年プレ・スプリング・コレクションのショーで発表している。

「トーガ」19-20年秋冬はエレガンスとカジュアルのせめぎ合い テーラードジャケットやフェザーがカギ

「トーガ(TOGA)」は、ロンドン・ファッション・ウイークで2019-20年秋冬物を発表した。会場に選んだのは、地域住民向けのレジャーセンターという体育館。サイクリングパンツが登場した前シーズンに続き、会場選びからして今季もスポーツムード全開かと思いきや、出てきたルックはぐっとシックな印象だ。この間トレンドとしてストリートスタイルが続いていたが、エレガンスへの回帰はここにきて決定的。ただし、カジュアルに慣れた身には直球のエレガンスはハードルが高い。その点からいって、「トーガ」のエレガンスのハズシ方は参考になるポイントが豊富だ。

冒頭は、オーバーサイズのテーラードジャケットを主役にしたスタイル。幅の太いピークトラペルをポイントにした正統派ジャケットに、長靴風のニーハイブーツやモダンアートのようなブローチを合わせてポイントにする。ジャケットにスラックスを合わせた王道のマニッシュルックは、ウエストベルトからチェーンで吊ったサイハイブーツやランジェリーのチラ見せといった要素で遊びを加える。全体的に、ボトムの丈が短くなって、軽快な雰囲気が強まっているのも特徴だ。

ゴージャスなフェザー使いも今季のポイント。フェザーとオーガンジーを組み合わせたブラウスは、あえてサスペンダーパンツと合わせてカジュアルダウンする。フェザーを飾ったテーラードジャケットは、ウールではなくダイバースーツに使うような素材感。ブーツやギャザーシューズはポインテッドトーのきれいめな印象ながら、スニーカーソール製。そんな風に、そこかしこにエレガンスとカジュアルのせめぎ合いがある。

最先端サステイナブル素材はパイナップルやオレンジ由来 2人のキーパーソンに新コレクションを聞く

「H&M」は、サステイナブル素材を駆使したハイエンド・コレクション“コンシャス・エクスクルーシブ(CONSCIOUSEXCLUSIVE)”の新作を4月11日に発売する。9回目となる2019年春夏のインスピレーション源は、“自然の美しさと癒しの力”。レッドカーペットでも着用できることを掲げるコレクションらしくスパンコールやラッフルをあしらったドラマチックなイブニングドレスや、テンセルとオーガニックリネンを用いたテーラードセットアップをはじめ、リヨセルや再生ポリエステル製のよりカジュアルなプリントアイテムまでをそろえる。さらに、再生プラスチックや再生シルバーと半貴石を組み合わせたジュエリーや、再生ポリエステル製の水着などもラインアップ。植物やミネラルなど自然界の優しい色味を基調にした、リラックスムードを感じるコレクションに仕上がっている。

同コレクションの最大の特徴は最先端のサステイナブル素材を積極的に取り入れていることで、これまで海洋に投棄されたプラスチックを原料にした再生ポリエステル「バイオニック(Bionic)」や漁業網などのナイロン廃棄物を100%再生した「エコニール(Econyl)」などをフィーチャーしてきた。今シーズンは新たな素材として、パイナップルの葉から取り出したセルロース繊維で作られた天然皮革の代替素材「ピニャテックス(Pinatex)」、柑橘系ジュース類の副産物をリサイクルしたシルクのような質感の「オレンジファイバー(OrangeFiber)」、植物由来で柔軟性のある発泡素材「ブルームフォーム(BLOOMForm)」を採用している。

また、今回は発売に先駆けて、4月6日に日本初のポップアップストアを東京・南青山のラコレッツィオーネに1日限定でオープン。会場では、同コレクションを販売するほか、オーガニックコットンや再生ポリエステルなどベーシックなサステイナブル素材のみを使った“コンシャス・コレクション(CONSCIOUSCOLLECTION)”のウィメンズとキッズアイテムもそろえる。

1月末にドイツ・ベルリンで開催された“コンシャス・エクスクルーシブ”発表イベントに登壇したアン・ソフィー・ヨハンソン(AnnSofieJohansson)=クリエイティブ・アドバイザーとセシリア・ブランステン(CeciliaBransten)環境サステイナビリティー統括責任者に、コレクションの製作背景からサステイナビリティーに関する取り組みの現状までを聞いた。

まず、イベントをベルリンで開催した理由は?

ベルリンは、ボヘミアンな街でアートやクリエイティブ・シーンも活発。なので、今回のコレクションのコンセプトにぴったりだと思いました。

2012年にスタートし、9回目になる“コンシャス・エクスクルーシブ”だが、今回はよりカジュアルな印象を受けた。今シーズンのポイントは?

今回は確かにカジュアルなアイテムが多いですが、ただ「カジュアル」というよりも「ボヘミアン」という表現がふさわしいかもしれません。ロサンゼルスの雰囲気をほうふつとさせるリラックススタイルが特徴です。しかし、“コンシャス・エクスクルーシブ”のDNAは最初から一貫して変わらず、特別な日にドレスアップできるアイテムをそろえるとともに、毎回最先端のサステイナブル素材を採用しています。

イナップルの葉から作られたレザーの代替素材など今回もユニークな素材使いが目を引く。新たに採用した素材について教えてほしい。

セシリア・ブランステン「H&M」環境サステイナビリティー統括責任者(以下、ブランステン):革新的な天然繊維の「ピニャテックス」は、収穫の際の廃棄物だった葉の部分を天然皮革の優れた代替品として生まれ変わらせたもの。今までは行きどころのなかったものを無駄なく再利用して、レザーのような素材を作り出すことができました。今回発表したジャケット一着には、およそ16kgのパイナップルの葉が使われています。また、オレンジファイバーに関しては、H&Mファンデーション(H&MFOUNDATION)が主催する第1回「グローバル・チェンジ・アワード(GlobalChangeAward)」(循環型のファッション業界を実現するための革新的なアイデアを競うコンペティション)で受賞したアイデアです。このアワードから生まれた素材を使えることは、非常にうれしいですね。そして、「ブルームフォーム」は、(藻類の大量発生による有害な水の着色現象である)藻類ブルームを引き起こす可能性の高い淡水域から集めた藻類バイオマスを使用した、植物由来の柔軟性のある発泡素材です。今回はサンダルのソールに使用されていますが、靴のソールの代替品はなかなか他にないので、今後の広がりをかなり期待できるのではないかと感じています。

昨年には初の秋冬コレクションを発表した。今後も春夏だけでなく秋冬を提案していく予定か?

次回の新素材についてはまだお伝えできませんが、もちろん全く新しいものを使用したコレクションを提案する予定です。もしかしたら、素材ではなく、染色やプリントなど生産工程にフォーカスしたものになるかもしれません。いずれにしても、包括的によりサステイナブルなものになります。年々、私たちが使用してきたサステイナブル素材のリストは増えています。例えば、昨年の秋冬コレクションではベルベットを採用。ただし、開発期間は2年にも及びました。新素材の開発は本当に時間がかかるため、サプライヤーと密に連携をとる必要があるのです。

現在は素材へのフォーカスが中心だが、今後は生産工程に関しても最先端のサステイナブルな方法を取り入れていくということか?

「H&M」では生産工程において化学薬品の使用に関する厳しい規制が設けられていたりとさまざまなことに取り組んでいて、現状でも可能な限りサステイナブルであるように努めていると言えます。今後は「ドライダイ(Drydye)」など水を使わない染色方法にもチャレンジしてみたいと思っていますし、大量の水を必要とするプリントの工程においても他の可能性を探る必要があると考えています。なので、素材だけでなくサステイナブルな生産工程をフォーカスすることも、今後のコレクションでは視野に入れていく予定です。

今シーズンはウィメンズのみの提案だが、メンズやキッズにも取り組む予定は?

そうですね。コレクションのテーマやコンセプトにフィットするようであれば、また是非発表したいですね。キッズに関してはWWFとのコラボレーションや通常のコレクションなどでも積極的にサステイナブルなアイテムを手掛けていますし、メンズもニーズを感じているので、必ず取り組んでいきたいと考えています。

中で“コンシャス・エクスクルーシブ”が担う役割とは?

“コンシャス・エクスクルーシブ”の良いところは、「H&M」が取り組んでいるサステイナブル・ファッションへの理解や認知を高めることができる点です。持続可能なファッションに関心を持つ人とのつながりを深めることはとても重要だと考えていますし、サステイナブル・ファッションが“ファッション”として成り立つことを知っていただくのは非常に大切です。サステイナブルな商品を発売しても、誰も着用しなかったら結果的にサステイナブルではありませんよね。なので、サステイナブル・ファッションであっても“ファッション”が何よりも重要な要素であり、最優先されるべきだと考えています。

“2030年までに全ての商品をサステイナブルまたはリサイクル素材に切り替えること”を目指しているが、それは「H&M」のみか?それとも、グループ全体か?

「H&M」だけでなく「コス(COS)」や「&アザーストーリーズ(&OTHERSTORIES)」などH&Mグループの全ブランドにおいて実現する計画で、そこには「H&Mホーム(H&MHOME)」も含まれます。

すでに全素材のうち57%がサステイナブルまたはリサイクル素材になっています。“2020年までに100%のコットンをリサイクルまたはサステイナブル・コットンに切り替える”という目標も掲げているのですが、これについては現時点ですでに95%を達成しています。

通常のコレクションでも、かなりサステイナブル素材への移行が進んでいるということだが、逆にどういった点で“コンシャス・エクスクルーシブ”は異なるのか?

はい、「H&M」では全商品においてサステイナビリティーを意識しています。ですが、“コンシャス・エクスクルーシブ”ではパイナップルの葉やオレンジの皮に由来する繊維など最新のサステイナブル素材を採用していて、サステイナビリティーという視点でさらに一歩先を行くコレクションになります。通常のコレクションには最先端の素材は使われませんから。これらの新素材は、いずれ規模が拡大して通常の商品にも使われるようになるかもしれませんが、現在のところは“コンシャス・エクスクルーシブ”で実験的に使い、素材の可能性やお客さまの反応を見ています。なので、新素材を実験的に使用することが、このコレクションの大きな特徴ともいえます。そして、ここから得た知識や経験を生かして、最終的には通常のコレクションにも使えたらと考えています。

実際のところ、テンセルは“コンシャス・エクスクルーシブ”でまず採用し、そこから通常の商品にも使われるようになりました。再生ポリエステルも同様で、今や世界最大規模のユーザーになっています。もしかしたら、次は「オレンジファイバー」や「ブルームフォーム」でそれを実現できるかもしれませんね。

今後あらゆる商品にサステイナブルな素材を用いることになると、商品の価格帯は変わる?

それはありません。“コンシャス・エクスクルーシブ”に関しては、特別な新素材を取り入れているため、高めの価格帯に設定されています。一方、通常のコレクションに関しては幅広い商品をラインアップしているため、価格の低いものから高いものまでがあります。例えば、ドレスなど特別な日に着用できるようなアイテムは高価格帯に設定されていますが、Tシャツやパンツなどベーシックなものに関してはロープライスです。今後も全体の仕組みは変わることはなく、サステイナブル素材が取り入れられるために全体の価格が上がることはありません。サステイナブルな商品は、一部の人だけのものではなく、全ての人の手に届くものでなければならないと考えています。

H&Mのような大企業がサステイナビリティーに対する取り組みを行うことの意義をどのように考えているか?

非常に重要です。大企業として大きな責任があるのはもちろんですが、それと同時にファッション業界に大きなインパクトを与えて抜本的な変化を起こすことができる可能性を秘めています。そういう意味では、大きなチャンスと言えるでしょう。

そうですね。真の変化を起こしたい時、それを実現させるために多くの人にリアルにリーチできるH&Mの世界的な規模は有益だと思います。

近年、消費者のサステイナビリティーへの意識も高まっているように感じるが、この変化をどのように受け止めているか?

まさに世の中のサステイナビリティーへの意識は高まっています。特に若い世代の間で浸透しているようで、彼らは洋服がどこでどのように作られたかに高い関心を持っているのです。私がH&Mに入社した1980年代を振り返ってみると本当に大きな変化ですが、私たちは正しい方向に進んでいると思います。今後、(世界の人口が増える一方で資源は減っていく中で)これまでと同じようにビジネスを継続することは難しくなります。そのため、新しい方法を見つける必要があり、ファッションの循環型アプローチが重要になります。すなわち、REWEAR(再着用)、REUSE(再利用)、そしてRECYCLE(リサイクル)が唯一の手段であり、私たちが前進する鍵になるのです。もちろん私たちはファッションを愛し続けますが、そのうえで将来的に全てのものがサステイナブルになることを目指しています。ファッションとサステイナビリティーは、もっともっと密接な関係であるべきだと考えています。

多くの人が責任感を持って、サステイナブルな選択と決断をし始めていることは、とても素敵なことです。そして、サステイナビリティーへの意識を持っている消費者が、私たちにアクションを起こさせることもあります。例えば、“コンシャス・エクスクルーシブ”では、生産工程の透明性を示すためにオンラインで生産国や工場、従業員、原材料を紹介しています。また、われわれは“2030年までに、100%の素材をサステイナブルまたはリサイクル素材に切り替えること”以外にも、“2020年までに2万トンの古着を回収すること”や“2040年までにクライメット・ポジティブになること”を目標に掲げています。短期的ではなく長期的なゴールを設定し、それに向かって取り組んでいくことが大切です。

1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース個人」のオーサーも務める。

ドバイのストリートカルチャーの祭典「ソールDXB」とは

ドバイなどの中東地域は近年、ラグジュアリーブランドにとって重要な市場となっているが、ストリートウエアやスポーツブランドにとっても同市場は非常に魅力的だ。ドバイ市場は若年層が多いため、ブランドは彼らとより直接的に結び付く方法を探している。

その答えの一つが「ソールDXB(SOLE DXB)」だ。スニーカー、音楽、アート、ライフスタイルなどを融合したイベントで、広告代理店サーチ・アンド・サーチ(SAATCHI & SAATCHI)でクリエイティブを担当していたフセイン・モルーボイ(Hussain Moloobhoy)と知人のラジャット・マロートラー(Rajat Malhotra)を含む4人が集まって2010年にスタートして以来、毎年開催されている。18年は12月6~8日に開催。

最初は短編映画の試写会といった小規模なイベントだったが、スニーカーを履いていることが参加条件だったこともあり、マロートラーらはドバイにヒップホップやスニーカーに興味がある消費者がたくさんいることに気づいたという。イベントの規模は次第に拡大していき、17年は約1万4000平方メートルの会場におよそ1万6000人の参加者が集まった。「アディダス(ADIDAS)」や「ナイキ(NIKE)」などの大手スポーツブランドの他、ラグジュアリーECの「ファーフェッチ(FARFETCH)」が出店。またラグジュアリーブランドの「ケンゾー(KENZO)」と「ディオール(DIOR)」が17年に初出店し、「ディオール」は18年も出店する。

「市場が比較的小さいため、最初はブランドをどう説得するかを考える必要があったが、ここ3年ぐらいで風向きが変わってきた」とマロートラーは語る。「世界中の若者が同じメディアを見て育っているので、ドバイでも世界と同じブランドの需要があり、ブランド側もより多くの製品をドロップ(発売)するようになってきた。それに加え、僕たちとしては地元ブランドを発掘し、プラットフォームを提供したいと思っている」。過去のイベントでは、80~90年代のヒップホップやグライム、日本のファッションなどがテーマだったが、今年は南アフリカのクリエイターをフィーチャーする。また、バスケットボールとスニーカー文化に関するドキュメンタリー映画「ロックラバー45s(Rock Rubber 45s)」も上映する。イベントの入場料は、1日パスがおよそ55ドル(約6215円)、ウイークエンドパスが同80ドル(約9040円)。

マロートラーによれば、「ソールDXB」の参加者の72%が18~34歳で、男女比はそれぞれ54%と46%とほぼ半々だ。「ファッション、音楽、そしてワークショップを通じて進化を見せていきたい。このイベントは特定の地域向けではないし、ドバイには世界中の人たちが集まる。音楽やアートのプログラムも、伝統的なものと現代的なものを混ぜている」。なお、17年のパネルディスカッションには藤原ヒロシが登壇している。

「アディダス」は初回から出店しており、今年は4フロア分のスペースを確保。うち1フロアは若い女性をターゲットとした“ファルコン(FALCON)”を中心に陳列し、ストリートサッカーであるパナ・ゲーム用のケージを設置する。アルノー・ジャンジラール(Arnaud Jeangirard)「アディダス」スタイル・ビジネスディレクターは、「『ソールDXB』にはストリートカルチャーの全てがある。流行に敏感な消費者が集まるので、ブランドにとっても出店するメリットがある。消費者にブランドの世界観やストーリーを伝えて、“体験”を提供することは非常に重要だが、地元シーンとのつながりがあるこのイベントはその素晴らしい機会だ」と述べた。

「ファーフェッチ」は、スニーカーのリセールストア「スタジアム・グッズ(STADIUM GOODS)」と提携して「ソールDXB」で限定品のスニーカーを販売するなど、実店舗とECの融合を実現している。「ファーフェッチ」は中東での売り上げを開示していないが、他の地域より若く、モバイルで買い物する消費者が多いとコメントした。

トルコのストリートウエアブランド「レス ベンジャミンズ(LES BENJAMINS)」は、19年春夏コレクションを自社旗艦店より先に「ソールDXB」で発売する他、トルコのグラフィティ・アーティストとのワークショップを開催する。同ブランドのブンヤミン・アイドゥン(Bunyamin Aydin)創業者兼クリエイティブ・ディレクターは、「売り上げも重要だが、若いデザイナーやアーティストを支援し、若者に希望を与えることが何より大切だ。ストーリーテリングはリアルである必要があるし、マーケティングではごまかせないものだ」と説明した。

オルセン姉妹の「エリザベス アンド ジェームス」がお手頃価格にリニューアル

アシュリー・オルセン(Ashley Olsen)とメアリー・ケイト・オルセン(Mary-Kate Olsen)姉妹のアパレルブランド「エリザベス アンド ジェームス(ELIZABETH AND JAMES)」が、米百貨店コールズ(KOHL’S)との独占契約を結んだ。

オルセン姉妹はメインブランドとして「ザ・ロウ(THE ROW)」を手掛けており、アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA)による「CFDAアワード」を3度受賞している。「エリザベス アンド ジェームス」はセカンドラインにあたるが、サックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)やブルーミングデールズ(BLOOMINGDALE’S)、ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)などの米高級百貨店や、ECサイト「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」などで2018年秋冬まで販売されていた。今回の提携を機に手頃な価格帯のブランドにリニューアルし、新コレクションは19年のホリデーシーズンに向けて11月頃からコールズの店頭とECで独占的に販売される。

メアリー・ケイトは、「『エリザベス アンド ジェームス』を、品質やフィット感を犠牲にすることなく、洗練されたファッションを手の届く価格帯で提供するライフスタイルブランドにしたい。ブランドの新たな時代が幕を開けるにあたって、コールズは最適なパートナーだと思う。同百貨店の充実した店舗網とECにより、さらに広い消費者層に製品を届けられる」と述べた。

アシュリーは、「コールズはオムニチャネルへの取り組みなど、画期的な戦略で成功している。以前から、『エリザベス アンド ジェームス』はもっと幅広い顧客層にアピールするブランドだと思っていたが、コールズとの提携によってそれが実現できる。メアリー・ケイトも私も、顧客に新たな買い物体験を提供できることをうれしく思っているし、ライフスタイル製品なども作りたい」とコメントした。なお、姉妹は宣伝にも積極的に関わり、SNSで発信することはもちろん、イベントなどにも登場する予定。ほかのブランドとのコラボレーションなども前向きに検討しているが、まだ公表できる段階にないという。

ミシェル・ガス(Michelle Gass)=コールズ最高経営責任者は、「デザイナーとしてファッション業界で高く評価されているメアリー・ケイトとアシュリーのオルセン姉妹と提携し、『エリザベス アンド ジェームス』を全米の顧客に届けることができてうれしく思う。同ブランドは新たな顧客、特にミレニアル世代を引き付けてくれるだろう」と述べた。同ブランドの価格帯はまだ決定していないが、トップスやジーンズ、ワンピースを40~70ドル(約4440~7770円)で販売している「LC ローレン・コンラッド(LC LAUREN CONRAD)」や「シンプリーヴェラ ヴェラ・ウォン(SIMPLY VERA VERA WANG)」など、コールズで取り扱っているほかのブランドと同程度もしくはやや高めが想定されている。

「エリザベス アンド ジェームス」は今後も独立した事業として経営され、創業者兼クリエイティブ・ディレクターであるオルセン姉妹がコレクションのデザインや開発を行うが、生産や管理はコールズが担当する。取り扱い分野はアパレル、アクセサリー、ビューティからスタートし、その後は顧客の投票によって変更していくほか、30日ごとに新たな製品を投入するという。なお、同ブランドで唯一の直営店がロサンゼルスのショッピングモール、ザ・グローブ(THE GROVE)にあったが、現在は閉鎖されている。

カンナビス とリメイクデニムを発売

ビンテージアイテムをリメイクするウィメンズブランド「77 サーカ(77 CIRCA)」は、東京・新宿のセレクトショップ「カンナビス レディース(CANNABIS LADIES)」内にショップインショップを5月13~28日に開き、限定のコラボコレクションを発売する。

3度目となる同コレクションは、“WRAP UP(くるまる)”がテーマ。アフガンストールをキーアイテムに、すべて古着のデニムジャケットとデニムパンツをベースにしている。デニムジャケットの襟部分にアフガンストールを縫い付けてフードにリメイクしたり、デニムパンツのフロントにアフガンストールを縫い付けて左右で異なるデニムを組み合わせたりするなど、すべて1点モノのアイテムとなる。

「77 サーカ」は、“1977年前後に生まれた私たちは、私たちに共感していただける方々と共に、それぞれの背景、文化を反映し、形を産み、選別し、リリースしていきます”をコンセプトに2014-15年秋冬にスタート。ブランド名の“サーカ”は“約”“およそ”“頃”を表すラテン語と、森山直樹デザイナーの生まれ年である1977年に由来する。

期待に応えたエディ 2シーズン目の「セリーヌ」がスマッシュヒット

セリーヌ(CELINE)」は1日、エディ・スリマン(Hedi Slimane)による2シーズン目のウィメンズコレクションを発表した。賛否両論の嵐が吹き荒れた1シーズン目とはガラリと内容を変え、その方向転換は端的に言えば大成功。黒とスキニーとミニスカートとロックから離れて、ブラウン系の上品かつフレッシュな「セリーヌ」ウーマンへ。“これでどうだ!”と言わんばかりの、パワフルなエディ流「セリーヌ」は今後、マーケットをリードしていきそうだ。

招待状に同封されていたのはファーストシーズン同様、分厚いノート。前回はそこにエディが撮影した夜のパリの風景写真を載せていた。今回は写真はなく、7色の紙。暖かみのあるブラウン系に金と銀を加えたカラーパレットで、そこに黒はない。そのメッセージがある意味すべてだった。

“パリジェンヌのワードローブはミニマルで着回し上手”などと言われるが、新生「セリーヌ」のアイテムのラインアップも明快で、“これさえ着ればエディ流グッドガールになれる”定番のワードローブが厳選されている。黒はほぼなく、全編暖かみのあるカラーパレットでまとめた。

中でもキーアイテムは膝下丈のキュロット。超ミニ丈を好んできたエディのこれまでの作風からは大転換だ。メンズスーツに使うようなウールのチェックやヘリンボーン、レザー、デニムなどとバリエーション豊かな生地で、時にプリーツを入れるなどゆとりのあるシルエットがコーディネートの核となっている。

キュロット以外のワードローブも明快だ。ボトムスはプリーツスカートに、洗いをかけたデニム。インナーは襟を小さなフリルで飾ったシャツかボウタイブラウス、もしくはハイネックセーターで、いずれにしても胸元は開けない。アウターはヒップが隠れる丈のテーラードかノーカラーのジャケット、トレンチコートにライダース、ピーコート、スタジャン、極寒用にムートンのコート。そして、必須アイテムであるプリントの膝下丈ワンピースを数枚。後半には夜のシーンに映える総スパンコール刺しゅうのシリーズも登場するがアイテム自体はデイウエアと同じだ。

アクセサリーは、レトロな金具の細ベルトが非常に重要で、加えて華奢なゴールドのネックレスと首もとを彩るレトロなスカーフ。バッグは小ぶりのショルダーがメインで、ニーハイブーツで素足は決して見せない。そして、唯一ロックなティアドロップのサングラスでスタイリングを完成する。

前季のデビューコレクションは、エディの前職である「サンローラン(SAINT LAURENT)」をそのままスライドしたような内容だったが、今回はパリのマダムに愛されてきた上品な「セリーヌ」の要素をエディ流に解釈。前任者フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)とアプローチの方法は異なるが、ブランドのDNAの再解釈という、クリエイティブ・ディレクターに期待される役割をきっちりやり遂げた。ただし、ラストルックだけは前シーズンから提案するユニセックスなパンツスーツで意地もちらり。それも含めてマーケットから見ても売りやすいアイテムだけに、エディが提案する現代のパリジェンヌのワードローブは今後、トレンドをリードする存在になりそうだ。

「ディオール」メゾンコード研究 第4回“日本からのインスピレーション”

歴史あるブランドはアイコンと呼ばれるアイテムや意匠を持ち、引き継ぐ者はそれを時代に合わせて再解釈・デザインする。アイコン誕生の背景をひも解けば、才能ある作り手たちの頭の中をのぞき、歴史を知ることができる。この連載では1947年創業の「ディオール(DIOR)」が持つ数々のアイコンを一つずつひも解いてゆく。奥が深いファッションの旅へようこそ!

1959年、皇太子の明仁親王(現・天皇陛下)の婚礼に際して「ディオール」は美智子皇太子妃(現・皇后)のために3着のドレスをデザインした。ムッシュ・ディオールから引き継ぎ、当時のウィメンズ・コレクションのアーティスティック・ディレクターであったイヴ・ サンローランが制作した PHOTO : 毎日新聞社 / アフロ

「ディオール」と日本が深い関係にあることは、創業デザイナーのクリスチャン・ディオール(Christian Dior)の回顧録からもよく分かる。ムッシュ・ディオールは子ども時代を過ごしたノルマンディーにある自宅の1階の風景を振り返り「天井まで届く大きな日本画が階段の壁を飾っていました。そこに広がる歌麿や北斎はさながら私のシスティーナ礼拝堂。何時間もじっくりと眺めていた子どものころの姿が目に浮かびます」と書いており、少年の審美眼を育んだ家庭環境の一角に日本の伝統文化が息づいていたことをその言葉から知る。

ムッシュは、コレクションの着想源としても日本を度々取り上げている。1952年秋冬コレクションではドレスのひとつに「東京(TOKYO)」と名づけ、53年のオートクチュールでは「ジャルダン・ジャポ(日本庭園)」と名づけたアンサンブルを披露。さらに54年秋冬コレクションでは京都の名門・龍村美術織物の生地で制作した「歌麿(UTAMARO)」と名づけたアンサンブルを発表している。同時期には「ディオール」のショーのためにモデルが来日したり、アズマカブキが渡仏したりするなど文化交流も深めてきた。

その後引き継いだ代々の「ディオール」のクチュリエたちもまた、日本から着想を得たコレクションを制作してきた。現アーティスティック・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)が、2017年4月に「ハウス オブ ディオール ギンザ」のオープンを記念して、17年春夏オートクチュールを「ギンザ シックス」の屋上で開催したことは記憶に新しい。

2019年プレフォール・メンズ・コレクションから空山基の作品の象徴的アイコンであるT-REXをプリントしたスリッポン。「ハウス オブ ディオール ギンザ」限定で4月29日から販売。1色展開。11万円

そして18年11月、「ディオール」がメゾン史上初となるメンズのプレ・フォール・コレクションを東京で開いたことは、 改めてメゾンと日本の関係の深さを印象づけることとなった。メンズアーティスティック・ディレクターのキム・ジョーンズ(Kim Jones)は元々日本通として知られるが、「特に今回は、日本からの影響を強く表現した」という。「僕の“日本愛”や、ムッシュと日本の絆、彼の愛情が生み出した1950年代のものと思われるスケッチ」などの要素が詰まっていると語るキムはそれらに十分な敬意を払いつつ、現代の男性の心を捉える服やバッグを生み出した。2019年プレフォール・ コレクションではアーカイブの要素に加えて、日本人現代アーティスト空山基の作品から着想を得てメタリックな素材使いなどデザインへ落とし込んだ。空山作品である巨大な女性のフィギュアは、演出の要ともなり会場を近未来感で包んでいた。メゾンの歴史に立脚しながら時空を超えて生まれる新しいデザイン。それは、「ディオール」と日本の関係に新しい1ページが刻まれた瞬間でもあった。

ストリートカルチャー好きのハートを射止める正体不明のインスタグラマー、リル・ジュピターに接触

リル・ジュピター もとい運用するリル・ジュピターは、コアなストリートカルチャー好きの間ではすっかりおなじみの存在となっている正体不明のインスタグラマーだ。

100万フォロワー以上を抱えるや「シュプリーム リークス ニュース(@supreme_leaks_news)」を筆頭に、ここ数年、インスタグラムではブランドの公式リリースよりも先に情報を公開してしまうリークアカウントの存在が大きくなっている。「リル・ジュピター」もそんなアカウントの1つだが、他とは一線を画す。

というのもリークアカウントは、ブランドのコラボ情報や注目アイテムのリリース日をこと細かく解説した投稿をするのが一般的だが、「リル・ジュピター」の投稿はそうした詳細には一切触れず、ほぼ全てがキャプションなしという突き抜けた異質さを放っているからだ。さらにはアニメのワンシーンや面白動画まで、ウィットに富みながらも抜群にセンスある(?)投稿を日々続けている。

このキテレツな世界観にハートを射抜かれた人物は数知れず、今やヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)やジェリー・ロレンゾ(Jerry Lorenzo)をはじめとする35万以上のフォロワーを抱え、カリフォルニア発シューズブランド「ケースイス(K・SWISS)」に至ってはコラボスニーカーを発表した。

通常、リークアカウントを運用する人物とコンタクトを取るのは難しいのだが、先日の「アトモスコン(atmos con)」で「ケースイス」とのコラボスニーカーを販売するということで、リル・ジュピター本人が来日。長きにわたって正体不明だった彼に話を聞くことに成功した。

リル・ジュピター:ドミニカ共和国で、両親はどちらもドミニカ人。7歳のときにニューヨークへ移り住んで、23歳になる今も住んでる。

なぜリル・ジュピターと名乗っているんですか?

リル・ジュピター:本当になんとなくつけたんだ。ジュピターって言葉の響きが単純にいいし、おもしろいなって。(編集部注:Lilはlittleの略語。小柄や若手を意味し、ラッパーなどが名乗ることが多い)

活動し始めたのはいつから?

リル・ジュピター:インスタグラムのアカウント自体は2013年からあったけど、本格的に活動を始めたのは2年前くらいからだと思う。

なぜ活動を始めたんですか?

リル・ジュピター:当時からファッションにめちゃくちゃ興味はあったけど、いわゆる“ファッションの人”って言われる業界人でもセレブリティーでもない普通の学生だった。じゃあどうしたら俺が“ファッションの人”になれるかを考えて、インスタにファッション関連の投稿をすることにしたんだよ。そうすれば俺はクリエイティブなマインドを持ってるし、クリエイティブなデザインも好きだから、投稿を見た人が気にしてくれて、そこから“中の世界”に入れると思ったんだ。

投稿の内容でファンを増やしたと思いますが、投稿する基準は?

リル・ジュピター:当初は周りで流行ってるファッションを中心に投稿してて、今はリーク画像とかも投稿するけど、俺がとにかくクールだと思ったものをひたすらあげてるだけさ。

だからファッション以外にもアニメや面白画像を投稿しているんですね。

リル・ジュピター:「ポケモン」だったら子どもの頃にやってたし、「スパイダーマン」は今でも観る。投稿するものに縛りはなくて、俺が昔好きだったり経験したことがあるものなんだ。

それでは、投稿を見ればあなたの人生が分かると?

リル・ジュピター:その通り!俺が面白いと思ったもの、ユニークだと思ったもの、変わってるものーーどんなコンテンツだとしても投稿するだけで俺を表現できる。投稿を見るだけで俺が好きなものも自然と分かると思うよ。

投稿の多くは、リーク画像やどこで見つけたのかわからない画像ですが、ソースは?

リル・ジュピター:自分でも探すし、フォロワーのみんなが情報を送ってくれるんだ。

これまでに1万1000件近く投稿していて、2年前からだと1日10投稿以上している計算です。投稿はツラかったりめんどくさくなったりしないんですか?

リル・ジュピター:確かにメンタルはやられるね(笑)。でも今日は今日、明日は明日って一日一日を大切にしていて、1日でも投稿しないと時代についていけなくなるから、この2年間で投稿しなかった日は2日しかないんじゃないかな?何事も続けることが大切さ。

アカウントは1人で運用しているんですか?

リル・ジュピター:最初から今まで全部1人だよ。よく何人もいるとか、ロボットを使ってるとか言われるけどね。

あなたと同じように、メディア的な役割を持つリークアカウントが増えていることについてはどう思いますか?

リル・ジュピター:投稿の内容からよく勘違いされるけど、俺はリークアカウントだと思って運用していないんだ(笑)。リークアカウント自体を見るのは楽しくて好きだし、それを見る人たちが大勢いることは事実だから存在を否定するつもりはない。それぞれのリークアカウントが投稿したいものを投稿すればいいし、俺は俺がクールだと思ったコンテンツを投稿していくよ。

日本では、“裏アカ”と呼ばれるアンオフィシャルなサブアカウントを持つ文化があるんですが、そういったプライベートアカウントはありますか?

リル・ジュピター:アメリカでも少しはサブアカウントを持っている人がいるけど、俺は持ってないよ。アカウントをたくさん持つと、アカウントとしての純度が薄まってしまうし、一つ一つの投稿にも一貫性が持てなくなると思うから。

「スピック&スパン」の妹ブランドがスタート 新宿ルミネ2に1号店オープン

ベイクルーズ傘下のフレームワークスは、2019年春夏から新ウィメンズブランド「ユー・バイ・スピック&スパン(U BY SPICK & SPAN以下、ユー・バイ)を立ち上げ、3月上旬に1号店を新宿ルミネ2にオープンする。30代以上がターゲットの「スピック&スパン(以下、スピック)」の上品なテイストをベースに、20代後半~30代前半向けによりトレンド感を意識したアイテムを値頃な価格でそろえる。一部の「スピック」店舗やベイクルーズの公式ECでも展開し、2月20日からはECで先行予約を受け付ける。

「『ユー・バイ』はヤング向けブランドをそろそろ卒業したいけれど、『スピック』だと大人っぽすぎる、そんな女の子たちのためのブランド」と稲葉真理恵プレス。小花柄ワンピースなどのフェミニンなアイテムとパーカ、スニーカーなどカジュアルなアイテムを組み合わせることで、女性らしさと芯の強さを共存させる。XSからLまで万遍なくサイズをそろえる「スピック」に対し、「ユー・バイ」では若い女性がジャストサイズで着られるようXS~Mに絞って展開する。

価格は「スピック」で1万5000円前後のブラウスを「ユー・バイ」では7000円前後で提供するなど、「クオリティは維持しつつ、アイテムによっては半額程度のものもある」と値頃感を強調する。一方、実店舗は落ち着いた上質空間を作り、ヤングブランドとの差別化を図る。

開催迫る東コレ19-20年秋冬 注目12ブランドはどんなショーをする?

2019-20年秋冬シーズンの「アマゾン ファッション ウィーク東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」が、3月18日にいよいよ開幕する。今シーズンは計52ブランドが参加。海外でショーを行っているブランドをはじめ、若手からベテランまで注目ブランドが目白押しだ。そこで「WWDジャパン」は中でもイチ推しの12ブランドをピックアップ。各デザイナーにショーへの意気込みや見どころを聞いた。

今回が2回目のショー。これまでは単に服が好きで突っ走ってきましたが、今はブランドを持つことの意味や責任感など、少し違った感情があります。コレクションでは、“EMO”をテーマに感情の揺れ動くさまを表現しました。会場は、昭和初期に建てられた洋館。葉巻で財を成した人物が、息子のために残したそうです。経年変化で汚れなどはありますが、愛を感じる場所。コレクションもこの場所と同じく愛が感じられ、残していきたいと思えるものにしたいです。

ショーのテーマは“VOICE”。夜が想起させる幻想と、聞こえてくるさまざまな音にインスピレーションを受けました。ブランド独特の色彩をまとった洋服たちや、ランウエイの美術装飾、会場を流れるショーの空気感を通じて、ブランドの世界観を来場者の方々と共有できたらと思っています。

インスピレーション源は1997年公開の米SFスリラー映画「ガタカ」や、ジム・ジャームッシュが監督・脚本を担当した2013年公開の「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」などです。“LANDSCAPE”をテーマに、日本国内の産地と協力して作った、さまざまな編み地の組み合わせからなるニットウエアやテキスタイルを発表します。また、前回に引き続き今回も、演劇作家の藤田貴大さんにテーマに合わせて文章を書いていただきました。「マラミュート」の世界観を是非お楽しみください。

ショーのテーマはパリと同じく“DETAIL”。画面の向こう側へ。画面の上では伝えられない服を、画面の上では分からない服を。普段は通り過ぎてしまうようなちっぽけなことに価値を見出したい。神は細部に宿る。細部を着る。その思いをコレクションで表現します。同じテーマでも、パリではパリの闘い方、東京では東京の闘い方をしたいと思っています。パリとは異なる発表を楽しみにしていてください。

前回に引き続き、テーマの中心は“多様性”。時代の変化に基づく社会の流れ、人そのものや行動の多様化に柔軟に対応できるファッションをリアルに描いています。モデルには、さまざまな個性を持つ方を起用したほか、服や素材、演出にもさりげないトリックを散りばめています。今回は、これまでブランドとして取り組んだことのない新たな領域に足を踏み入れました。ご来場いただいた方もきっと驚かれると思います。

1年ぶりとなる今回のショーは、“子供のころの礼拝の記憶”がキーワード。学生時代に授業の一環で行っていた礼拝の時間は、個人的にはどこか神さまを通じて自分と向き合う時間だったのかな、とふと思いました。いろいろな感情で日々コレクションが揺れ動くので、どんなショーになるのか、僕自身も想像がつかず、楽しみにしています。それを来場者の方にも体感してもらえたらと思っています。

ここ数シーズンは、特定のコンセプトやインスピレーションからデザインすることはしていません。それでもあえてコンセプトは何かと問われたら、自分自身が普段無意識のうちに感じたり、考えたりしていること。「シロマ」ではデザインだけでなく、パターンも全て私が製作しているので、シルエットやディテールの作りこみまで見ていただければと思います。野外でショーを行うので、雨が降らないように祈っていただけるとうれしいです(笑)。

2年ぶりの東京では、イタリアのサルダリーニ社が開発した、動物に負担をかけない素材“カシミヤフレークス”とコラボレーションしたカプセルコレクションを発表します。環境と調和の関係性を考慮し、カッティングやカラーパレットに「ウジョー」らしさを取り入れました。今回のプロジェクトが、人々のファッションへの意識が変わるきっかけになればと願っています。

“3D-2D-3D”をテーマに据え、ゲストパフォーマーのピアニスト、横山幸雄さんにその場で受ける即興的なインスピレーションで生演奏していただきます。目の前の形と音が一体化する経験を、存分にお楽しみください。

今回は、前シーズンからスタートした“手のひらの旅”の第2弾。日本や世界各地の貴重な手仕事と出会い、新しいプロダクツでファッションと融合させるシリーズです。“雪の恵み”と題し、前回と同じく雪の青森県を旅しました。そこで出合ったこぎん刺しや津軽漆、打刃物などとコラボレーション。ロードムービーとプレゼンテーションで新しいコレクション発表の在り方を提案します。

テーマは“Grunge”。初めてのランウエイ形式での発表なので、動きがあるからこそ感じられるアイテムの質感やディテールに注目していただければと思っています。「チノ」というブランドを気張らず、より良く伝えられる方法を考えています。楽しみにしていてください。

“WABISABI”をテーマに、流れの中で成熟して産まれた、違和感を覚える服を表現しました。モデルの動きや、オリジナルで作成した音楽と共に、「ジエダ」とはどのようなブランドなのか、知っていただけたらうれしいです。

注目ガールズ&アーティストが贈る、NYLON JAPAN×BABY-Gのサマームービー

夏を思いっ切り楽しむアクティブガールのファッションシーンには、おしゃれで耐久性のいいウォッチがマスト!! サーフィン、ショッピング、ドライブ、ナイトアウトとあらゆるシーンで活躍してくれるBABY-Gの最新ブランドブック&ムービーがついに完成! NYLONのプロデュースによりとびきりキュートなシーンが満載♪

誕生20年を記念したマガジンでは、、話題のITガールズが出演するポップでガーリーな2つのストーリーをLA&東京を舞台に展開。世界が注目する女性フィルムメーカーGia CoppolaとTracy Antonopoulosがタッグを組んだLAヴァージョンのテーマは“BIRTHDAY GIRL in LA!”。メインヴィジュアルに大抜擢された佐原モニカがBABY-Gと一緒にLA流バースデイの過ごし方を提案。そしてガーリーな世界観で常にカルチャーを作り上げてきたHIROMIXが本誌のために撮りおろしたファッションストーリーには、Emma&山野未結が登場。仲良しガールズの束の間のひと時を覗いてみて♪

BABY-Gの取り扱いショップではNYLONプロデュースの『BABY-G magazine』を配布中。雑誌でもおなじみのItガールズのファッションスナップやインタビューも盛り沢山! BABY-Gワールド全開のブランドブック、おしゃれな夏を120%楽しむアイデアを見つけられるかも♡

コールに特別インタビュー!G-star RAW 2019春夏キャンペーンの顔、リリー

『re-think(発想の再考)』をコンセプトに掲げたG-Star RAW 2019年春夏キャンペーンの顔にフィーチャーされたのは、チェス王者のMagnus Carlsen(マグヌス・カールセン)とトップモデルのLily Cole(リリー・コール)。この2人が、幻想的なチェスゲームを展開するキャンペーンムービーは必見! 人生の縮図としても例えられるチェス。常に積極的に攻め、ひとつひとつの駒の動きを考えてはまた考え直し、試行錯誤を繰り返しながら斬新なアイデアを生み出していく。それは今季のコンセプトのみならず、G-Star RAWのデザイン哲学に通じるもの。

今回キャンペーンに抜擢されたマグヌス・カールセンは、妥協を許さない強気のプレースタイルで“チェス界のモーツァルト”とも呼ばれる天才。そしてトップモデルとして輝かしいキャリアを持つリリー・コールは、環境保全活動への取り組みやアートへの深い関心など、信念を持つ生き方をしている女性。両者ともに型にとらわれない思考を持つというブランドスピリットを体現している。

ナイロニスタにとっても憧れの存在であるリリー・コールにスペシャルインタビューを決行! クールな今回のキャンペーンムービーとは異なるラフでナチュラルな一面を感じて欲しい♡

2019SSキャンペーンモデルに起用された気持ちはいかがですか?
今回のキャンペーンに携わっているMagnusや映像ディレクターのShueti(シュエティ)、フォトグラファーのPhilip Hale(フィル・ヘイル)と一緒に仕事をするのはすごくエキサイティングでしたし、G-Star RAWが今までにやってきたコラボレーションにもとても感銘を受けました。特に、キャンペーンショートフィルムの中で、マグナスと一緒にチェスをするというのは、なかなか考えつかない面白いアイデアで、とても気に入りました。このような、G-Star RAWが持っている、都会的な感覚が好きです。

G-Star RAW 2019SSコレクションの中で、どのデニムが印象的ですか?
かなりカジュアル目で、ルーズなシルエットでありながら、かっこいい雰囲気をかもしだせるType-Cデニムがすごく気に入っています。

リリー・コールもお気に入りのType C(タイプ シー)。G-Star RAWの3D(立体裁断)デニムラインの最新作で、最も大胆なカッティングを施したこのモデルは、膝下がぴったりフィットするテーパードデザインと膝裏まで伸びた、大きめのバックポケットが特徴。Type C 3d loose tapered ¥18,900

好きなデニムシルエットは?
Type-Cのようなおしゃれなルーズフィットか、タイトなスキニーフィットのデニムが好きです。

デニムを着る際、スタイリングで気をつけていることは?
とにかく、サイズがきちんと合っていること! そうすれば、間違いないです。

リリーコールさんにとってデニムファッションの魅力とはどういったものなのでしょうか?
ジーンズはすごく好きなので、しょっちゅう穿いています。クラシックな定番アイテムですが、ゆったりとしたカジュアルな着こなしから、スマートでファッショナブルな着こなしまで、とにかく何にでも合わせられ、色んな着こなしが出来るのがいいですね。ジーンズは、たぶん、一番好きなファッションアイテムかな!

キャンペーンムービー撮影時のエピソードを教えてください。
シュエティとクリエイティブディレクターの仕事には、とても感銘を受けました。そして、間近で馬が全速力で走るのを見れたことも!

リリーコールさんの考える「ファッショニスタ」とはどんな人ですか?
“ファッショニスタ“というコンセプトがあまり好きではないんですよねぇ……。好きなものを自然に着ていて、それが、結果的に個性的なスタイルになっている、というのがいいですね♡

読者に一言メッセージをお願いします。
日本もNYLONも好きです! NYLONとG-Star RAWはとても合うと思う! もしかしたら、私のソーシャルネットワークを日本に紹介する為に、近々日本に行くかも?! 前に東京で“願い事をする木”を見に行ったことがあり、すごくインスパイアされたことがあるんです。
最近は、日本語で“不可能”と書く機会があったんですよ。漢字を書いてみたよ(右の画像)。Lily Coleが運営する自他の技術や知識を分け与えることを促すために人々の願い事を載せているソーシャル・ネットワーキング・サイト。

SAINT LAURENTをまとってエレンがダンス!アカデミー賞の予告映像を公開

アメリカ、ロサンゼルスで3月2日に開催される、第86回米アカデミー賞授賞式。そのキャッチーなプロモーション映像が話題に! タイを結び、スニーカーの靴ひもを締め、SAINT LAURENT(サンローラン)のシックなパンツスーツに身を包んで勢いよく飛び出してくるのは、今年の司会をつとめるEllen DeGeneres(エレン・デジェネレス)。彼女は、アメリカの人気トーク番組「エレンの部屋」の司会をしている女優でコメディアン。アカデミー賞の司会は、2007年以来2度目となる。 

映像では、アメリカのフィッツ・アンド・ザ・タントラムズの「The Walker」を口ずさみながらステップを踏んで、男女総勢250人のタキシード姿のダンサーを引き連れてストリートを駆け抜けていく。 今回メガホンをとったのは、「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」で知られるポール・フェイグ監督。全編、歌とダンスで構成されていて、まるでミュージカル作品を見ているよう♪ アカデミー賞への期待感がぞくぞくっとかき立てられる。 

トーク番組でみせる、エレンのあたたかな人柄とはじけるような明るさ、人間味あふれる笑いのセンスは、全米中から愛されている彼女の魅力。 ショーレースの行方はもちろん、トークのプロである彼女がどんな司会っぷりをみせてくれるのかも見逃せない!